| ▲トムラウシ(とむらうし)2141m |
| 2004年8月24日(火) 登頂回数1回 晴れ トムラウシは、大雪山の旭岳に次ぐ、北海道第二の高峰である。山頂に至るアプローチは、いずれも非常に長い。唯一、トムラウシ温泉からのルートが、何とか日帰り可能である。今回僕は、このルートをとることにした。トムラウシという名前も、魅力的だ。それは、十勝川の上流トムラウシ川から由来したもので、トンラウシと呼ぶのが正しい。tonra-usi のトンラは「水垢」を意味し、ウシは「多いところ」を意味する。つまり「水垢の多い川」。温泉鉱物によって水がぬらぬらしている為、この名がついたのだという。 旭岳、十勝岳の2座登頂後、温泉でリラックスしてから、登山口にあたるトムラウシ温泉へ向かった。十勝岳登山口(望岳台)からトムラウシ温泉までは、一旦、富良野へ出て、狩勝峠経由で向かわねばならない。遠い道のりであった。トムラウシ温泉にある、国民宿舎「東大雪荘」に到着したのは、かなり日が暮れてからであった。東大雪荘の手前6km程は、未舗装の砂利道なので、走行には注意したい。出発は、トムラウシ短縮登山口からの予定である。車を短縮登山口へと移動しようと考えたが、身体は、この日の大移動で疲労困憊だった。それに、国民宿舎「東大雪荘」前の駐車場の方が、周辺も明るく、トイレもあるので、ここで車中泊することにした。簡単に夕食を取り、ビールを飲んで、爆睡モードへ・・・。予報では、明日から天候が下り坂との事。トムラウシが、長丁場のルートだということに関しては、あまり気にならない。気がかりなのは、天候のみである・・。 24日の起床は、午前3時30分。辺りは、まだ暗く静かである。気になっていた天候であるが、なんと上空、満天の星空で、「うそ・・・。まじかよ〜」嬉しいのだが、こちらの心境としては「まさか・・・」という気持ちだった。とりあえず、愛車を、短縮登山口へ移動することにした。トムラウシ温泉から、未舗装の林道を20分程走ると、登山口に到着する。駐車場は広く、最新のバイオトイレもある。そこには、10台程の駐車があった。駐車場で登山の準備をしていると、隣にいた若い単独行の青年も、準備を始めた。「これから登るのですか?」と青年が話かけてきた。「そうですよ〜。何とか天候も持ちそうですね♪」そりゃ、今、来たんだから登りますわい。「でもここは、かなり長丁場なんですよね・・」長丁場のルートを気にしている感じだった。「でも天候は良いし、この時間に出発するなら、問題ないんじゃないですか・・・。」そんな感じで会話をしながら、登山の準備を完了させた。車の駐車台数から考えると、かなりの登山者が入山するものと思っていたが、結局は、僕と、先程に挨拶を交わした青年だけであった。 登山口出発は、午前4時43分。熊避けの鈴を、3つもぶら下げての出発である。短縮登山口から温泉コース合流点までは、なだらかなコースであった。その分岐を過ぎると、急坂で、しかも泥の多い登山道へと変化した。体力的にも辛くなるが、気にせずいつものように突き進んだ。20分程で、カムイ天上に到着する。昨年までは、この先からは、歩きにくい沢ルートであった。しかし、この沢ルートは、遭難があまりにも多く危険な為、昨年の秋に、巻き道の新ルートが完成した。以前の旧道には、「ルート変更」の大きな看板があり、説明書が添えられていた。新道は、歩き易い笹の仮払い道で、かなり道幅が広い。平坦なルートな為、体力的にも楽である。距離にして、700m程延長されているが、歩き易い登山道なので、時間的には少し短縮されているように思う。おかげで、快適なペースで登ることが出来て、体力的にもかなり助かった。新道は、再び旧道と合流する為に、一旦沢へと下る。しかし、この下りが、泥の歩きにくい道であった。所々に補助ロープがあるが、それは泥まみれで無用の長物だった。沢へ下り、しばらく平坦な登山道を歩くと、旧道と合流する。ここにも、先程と同じような説明の看板と柵があり、旧道は通行止めとされていた。登山道は、沢沿いから、右方向のコマドリ沢へ入る。沢上部は、ガレ場の多い急坂であるが、ペンキ印を頼りに、前トム平を目指し登って行く。前トム平は、広く開放的な場所で、休憩には持って来いの場所である。この辺りにもナキウサギが多いと聞いていたので、休憩そっちのけで、耳をダンボにして周辺を散策した。しかし残念ながら、ここトムラウシでも、それを見つけることはできなかった。前トム平からは、多くのケルンが立ち並ぶガレ場を進み、さらにその先の巨岩帯を越えると、美しいトムラウシ公園の池の畔へ降りる。途中、巨岩帯から眺めるトムラウシは、うっとり見惚れてしまう程、素晴らしいものだった。ここで、何枚も写真を撮影し、憩いの楽園とも言うべきトムラウシ公園を眺めながら、至福の時を過ごした。その後、トムラウシ公園周辺の高山植物を楽しみながら、なだらかな登山道を登りきると、南沼キャンプ地へ出る。南沼キャンプ場手前で、1組の団体とすれ違った。昨夜ここで幕営し、これからトムラウシ温泉へ下山するという。時間があれば、山中で1泊し、のんびりトムラウシ周辺を散策するのも面白いと思う。ここからは、最後の急坂を登り、左に廻り込んで、岩場をよじ登ると山頂に出る。 到着は、午前8時38分。登山口から山頂までは、とても長い道のりであった。しかし、体力的な消耗は思ったよりもなく、まだまだ登れそうな勢いであった。山頂には、2組の登山客がいたが、みな山中1泊の予定で入山し、これからトムラウシ温泉へ下山するということであった。「早いね〜。もう登ってきたの?」いつもの聞きなれた問いかけであった。「そうですよ〜。軽身なんでね!」笑って答えた。山頂からの展望は、360度の眺望で、素晴らしいものであった。北には、旭岳を主峰とする長い大雪尾根、又、南西には、十勝、美瑛の山々を望むことが出来た。山頂では、記念撮影と、軽く水分補給だけし、下山することにした。 下山は、往路を下って、トムラウシ温泉を目指す。あの長い道のりを考えると嫌気もさすが、ここは、長丁場のトムラウシである。気合で乗り切らないといけない。いつものように飛ぶように下山した。途中で、朝、登山口で会った青年とすれ違った。「もう、登ってきたんですか〜」不思議そうに僕を見つめていた。そんなことはどうでも良く、さらにスピードを上げ、先程の団体までも追い抜いて、登山口まで下山した。登山口到着は、午前11時36分。予想とは反して天気が良く、快適なペースとコンディションで、長丁場のトムラウシを登れたことに、達成感、満足感ともに十分であった。 下山後、トムラウシ温泉、国民宿舎「東大雪荘」へ行った。ここは、かなり山奥の渓谷にある、一軒宿とは思えない程の近代的な温泉宿であった。泉質は、炭酸水素塩泉で、入浴料は350円と安い。内風呂は、サウナと大浴場となっている。緑豊かな渓谷の中で、川のせせらぎを聞きながら入る露天風呂は気持ちが良く、特にお勧めである。山間のダートの林道を走らないと、ここへは来ることができない、まさに秘境とも言うべき、トムラウシ温泉である。道内には、この温泉に入る為だけに来る人もいる程、人気がある。 明日は、雌阿寒岳である。のんびりドライブを楽しみながら、阿寒湖方面へ向かって、愛車を走らせた。 |
![]() 【トムラウシ山頂にて】 ![]() 【トムラウシ】 ![]() 【三角点】 ![]() 【旭岳方面】 ![]() 【チングルマ】 ![]() 【前トム平から1898m峰】 ★山行記録★
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