▲利尻岳(りしりだけ)1721m
〜 高山植物の宝庫、利尻富士へ 
2004年7月3日(土)〜5日(月) 登頂回数1
晴れ GPS軌跡

利尻岳は、深田久弥が掲げる日本百名山のうちの一つである。その著書の中で、「利尻島は、そのまま利尻岳であった」と書かれている。海上から見ると確かに、島そのものが利尻岳であり、その姿は、利尻富士と呼ばれる名の通り、均整の取れた美しいものである。高山植物の宝庫であるこの山は、冬季は全く人を寄せ付けない山へと変貌する。又、アイヌ語で、リイシリとは「高い島」を意味している。

今回は、大学時代の岳友である西田さんと共に、山行計画を立てた。今回の山旅は、僕の仕事柄まとめた休暇が取れない為、現地まで飛行機を利用することにした。2ヶ月前から予約したにもかかわらず、旅費は高額だった。往路は、大阪から千歳経由で利尻まで飛び、復路では、利尻から稚内までフェリーを使い、稚内から大阪まで飛行機を利用した。びっくりする程の大出費だった。ことさら「晴れてくれれば、それで良いな!」そう期待しながら、利尻入りしたのである。

利尻空港到着後、予約していたレンタカー会社(まごころレンタカー)での受付を済ませ、いよいよ利尻の山旅がスタートである。まずは、鴛泊港から近い、ペシ岬へ登って見ることにした。簡単に登れる岬で、結構、観光客も多かった。ここからの眺望は、晴れていれば最高なのだろうが、この日は、あいにくの天候で、目の前に見える筈の利尻岳も、厚い雲の中にあった。到着早々、少し残念な気持ちだった。「こりゃ、明日以降の回復を期待するしかないな!」利尻への到着が夕方だった事もあり、この日の眺望は諦め、食料等の買出しと、準備に時間を費やすことにした。今回、計画した登山口は、丁度、3合目にあたる利尻北麓野営場である。そこまで車で移動し、ここで幕営する事にした。

4日の起床は、午前2時。週末でもあり、混み合う前に登頂したかった。素早く朝食と出発の準備を済ませ、午前3時前に出発した。勿論、辺りは暗いので、ヘッドランプで周囲を照らしながら、ゆっくり歩き始めた。この利尻岳では、環境保全の為、登山中は、登山口等で配布している携帯トイレを利用しなければならない。これは、登山コースに数箇所設置されている携帯トイレブースで使う為に、無料(寄付金を払うのが望ましい)で配布されている。僕たちも、それを一つ、ザックに入れて出発した。登山口から少し歩くと、有名な「甘露名水」に出るが、ここは寄り道せず、先を急ぐことにした。登山道は歩き易く、ヘッドランプの明かりでも充分であった。しかし周辺はガスに覆われており、鬱蒼とした雰囲気の中を、ひたすら登らなければならなかった。不思議なことに、午前3時半位には空が明るくなり始めた。「さすが北国だな!夜が明けるのも早いんだね〜」そんなことを思いながら、ひたすら登った。5合目を越えた辺りからガスが消え、上空には青空が広がり始めた。5合目から下は、雲海である。これは、丁度、富士山のような独立峰で起こりうる現象である。その後、ご来光を、6合目で迎えることが出来た。しばらく時間を忘れるかのように、写真撮影に没頭した。快調なペースで登っていても、早朝の登山である為、涼しく、あまり汗も出ない。順調に、8合目の長官山まで到達することが出来た。ここに来て、今まで姿を現さなかった利尻岳が、急に目の前に現れるのである。それは、飽きる事のない美しさであった。極端な話、利尻岳への登頂が無理であったとしても、ここまで登り、この眺望を得れば、それだけで満足出来てしまいそうだ。ここでもしばらく写真撮影に没頭した。休憩がてら、この長官山にある一等三角点を探して、周辺を歩き回った。三角点への標識はなく、小さな赤いテープがあるだけだった。それに従い奥まで踏み込んでみると、そこには、立派な一等三角点があった。ここ長官山は、一等三角点百名山である。利尻岳へ登っても、この三角点を踏まないとしたら、勿体無い話である。ここで、しっかりと記念撮影をしておくことにした。ルートは避難小屋を過ぎ、9合目からは、急坂の登りが続いた。足元の火山礫は、踏ん張りが利かず、歩きにくかった。危険個所には、ロープを張ってあるが、見ると、えぐれている箇所も多い。崩落が進みつつある危険な山である。登りにくい火山礫の、最後となる急坂を登ると、北峰(1719m)の山頂に着いた。勿論、山頂独占である。最高峰である南峰(1721m)へも登りたかったが、崩落が激しい為、現在は、南峰への登山を禁止している。そういった訳で、現在の山頂は、北峰となっている。山頂では、眺望を楽しんだり、ローソク岩や雲海の撮影に没頭したりと、ゆっくりした時間を過ごした。

下山は、往路を、ひたすら登山口目指して駆け下りた。やはり週末の為か、3組の団体登山客とすれ違った。ルートの譲り合いには、精神的に疲れた。下山後、9合目で、使用した携帯トイレを専用のボックスへ処分し、「せっかく環境保全の為にやってる事だしね〜」と寄付金(?円)を支払った。

下山後、近くの利尻富士温泉で汗を流した。ここの泉質は、ナトリウム塩化物・炭酸水素塩泉(低張性弱アルカリ性温泉)である。飲泉できるので飲んでみると、酸い昆布茶のような味がした。ここの露天風呂も広く、開放的で良かった。晴れていれば、利尻岳の山頂が見えるとの事。入浴料は、少し値上がって500円。

入浴後、鴛泊港にある「味の市場」にて、活ウニ、ウニ丼を食べた。新鮮なウニは、やはり上手い!「利尻に来たら、ウニか昆布だよな〜」ウニ丼に付いているお味噌汁には、しっかり利尻昆布が入っていた。

その後は、レンタカーで、島を一周、快走しまくった。取り敢えず、有名どころを全て見て回った。天候は、昼過ぎから急に回復し、厚い雲に覆われていた利尻岳が姿を現した。もう、無我夢中で、写真撮影に没頭した。半分諦めかけていた、麓からの利尻岳の姿である。嬉しくて仕方がなかった。

この日は、沓形岬のキャンプ場で幕営した。天候が良かったので、日没まで利尻岳を見ながら過ごすことが出来た。ここからの夕日も素晴しいものであった。夜8時前になっても、まだ辺りは明るかった。「やっぱり利尻まで来ると、ちょっとした白夜もあり得るのかもね」そんなことを考えながら、眠りについた。

翌日、天気も良かったので、もう一度、姫沼で写真撮影をした。そして、ペシ岬へも再度登り、眺望を楽しんだ。その後、混み合うフェリーに乗り込み、帰途、稚内へと向かった。

今回の利尻の山旅は、天候に恵まれ、最高の思い出を作ることが出来た。又、利尻岳は、僕自身の日本百名山90座目の登頂として、相応しい山であった。

利尻の山旅
御来光 長官山より利尻岳
長官山山頂にて 一等三角点
9合目と簡易トイレ 雲海
北峰とローソク岩 利尻岳山頂
山頂より雲海 利尻岳山頂
南峰とローソク岩 甘露名水
味の市場 活ウニ
オタトマリ沼より利尻岳 利尻岳
姫沼より利尻岳 沓形岬からの日没
ペシ岬 ペシ岬より利尻岳
ペシ岬 礼文島
沓形岬キャンプ場 ペシ岬山頂
船上より利尻岳 ウミネコ
船上より利尻岳 機内より利尻岳
























































































★山行記録★

山行時間:7時間5分
2:40 北麓野営地
4:55 長官山
15分 休憩
6:29 利尻岳山頂
10分 休憩
7:40 長官山
5分 休憩
9:45 北麓野営地



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