| ▲羅臼岳(らうすだけ)1660m |
| 2004年8月27日(金) 登頂回数1回 雨 羅臼岳は標高1660m、知床半島の最高峰で、言わずと知れた日本100名山の一つである。その名は、羅臼川の源流にあることから付いたと言われている。知床半島はヒグマの生息数が日本一であり、特に登山中は、いつ遭遇してもおかしくない。登山中は、鈴や笛を利用し自己の存在をアピールするなど、ヒグマの出没には十分注意したい。熊の生活範囲内に侵入しているという事をよく理解し、山行を楽しみたいものである。 26日、斜里岳登山の後、観光で、知る人ぞ知る「神の子池」へ寄り、その後、ゆっくりと知床方面へ愛車を走らせた。またこの日は、時間に余裕があった為、途中、オシンコシンの滝や、知床五湖周辺を見物しながら、時間を潰した。登山口のあるホテル「地の涯」へ向かったのは、日も傾いた夕方である。ホテルの手前で、鹿の群れに遭遇した。「危っぶねぇ〜。勘弁してくれよな・・・。さっきもキタキツネを轢く所だったんだからよ!」危うく鹿を轢きそうになった。 ホテル前の駐車場に到着後、眠かったので、すぐに夕食を取り、登山口の確認だけをして寝ることにした。明日の天候はどうだろうか?この日、日中は良く晴れていた。しかし、夕立ちがあり、勢い良く雨が降った。その影響で、翌朝も雨が残る心配があった。 27日の起床は、午前5時。熊の多い羅臼岳である。いつものような単独スタートは、気が引けた。少し遅めの出発を考え、ゆっくりと準備を進めた。気になる天候だが、小雨が降り、上空は厚い雲に覆われていた。「う〜ん、仕方ないな・・・。ここだけは、晴れの日に登りたかった・・・。熊も多いしな・・。」そう思ったが、仕方がない。熊避けスプレーを携帯し、今回は、ザックに鈴を3つも取り付けた。これで、取り合えず熊対策は出来た。 午前5時46分、ホテル「地の涯」横から、登山口へ向かう。ホテル横は、宿泊客の迷惑になるので、鈴を外して通行する。登山口は、ホテルから少し離れた木下小屋の横から始まっている。登山口で入山届けを記入し、出発である。この日の入山届けを見てみると、結構、沢山の登山客が入山していた。「こう登山客が多いと、熊さんも出てこれへんやろな!」少し気持ちが楽になった。 歩き始めると、徐々に雨足が早くなった。その後、風も強くなってきたので、レインウエアを着ることにした。とにかく、この日の天候は最悪であった。熊の出現にも注意したいが、それ以上に、この悪天候に悩まされ続けた。このルート上には、「ヒグマ出没多発区間」がある。そこには看板が設置されており、注意書きが書かれている。それによると、ここから先は、登山道上にアリの巣が密集しているらしく、その巣を求めて頻繁に、ヒグマが出没しているという。「嫌だね〜。ここは、鈴をガンガン鳴らして行くしかないな!」ここはドキドキしながらの通過となった。この危険地域の範囲が、予想以上に長かった為、精神的に疲れた。無事、この危険箇所を通過し、さらに上を目指す。大沢付近になると、風雨が一層強くなり、1歩踏み出すのが辛かった。ここまで来る間に、多くの団体登山客に出会った。どの登山者もフラフラになりながら登っていたのが、印象的であった。大沢の急登をクリアすると、羅臼平に出る。本来ならば、ここから目の前に、羅臼岳が、迫り来るような迫力で見えるの筈だが、何も見えない。羅臼平からは単独となり、強風にあおられながら、黙々と山頂を目指した。冗談抜きで、風雨が強く、気を緩めたら吹き飛ばされそうな勢いだった。おまけに気温も低く、時間が経つにつれて、手の神経が麻痺してきた。残念なことに、周囲の視界が全くなかったので、どこをどう歩いたかの記憶は殆どない。残っている記憶と言えば、山頂直下が岩場で、それをよじ登ると、山頂があったというくらいのものである。山頂直下で、この日の一番手で登り始めたという方が、道を譲ってくれたことしか覚えていない。結局この日も、一番手で登って来てしまった。山頂は、凄まじい強風で、立っていることも出来ない状況だ。地獄のようであった。先程、道を譲ってくれた方と、山頂での証拠写真を撮り合い、すぐさま下山を始めた。下山途中の岩場で、ナキウサギと出会った。北海道の山旅中、ずっと捜し求めていたナキウサギに出会えて、すごく嬉しかった。写真に収めようと、急いでザックに収納していたカメラを取り出したのだが、その音で驚いたのか、先程、居た場所にナキウサギの姿はなかった。残念な気持ちもあったが、この強風と雨の中である。そんなことを、気にしてはいられなかった。羅臼平まで戻ると、2組の団体登山客が留まっていた。そのリーダーらしき方から「上まで行って来たのですか?どんな感じでしたか?」と山頂の様子等を聞かれた。「いや〜、立ってられませんね。」僕の一言で、なぜかその2組の団体は、下山する事を決めたようであった。まぁ、とにかくそれくらい激しい天候であったのである。その後は、いつものように飛ぶように駆け下りた。鈴の音が、耳に焼きつく程の勢いだったのを覚えている。 登山口へ下山したのは、午前11時9分。雨は、小雨になっているものの、回復は期待できそうになかった。下山後、ホテル「地の涯」にある温泉に寄ってもよかったのだが、内風呂の営業時間前だったので、諦めた。外の露天も人気だが、雨が降っているのでやめた。そんなわけで、少し車を走らせ、近くにある「しれとこ自然村」へ向かった。入浴料は700円で、シャンプー等の設備もしっかりしている。ここは、湯が良かった。泉質は、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉で、湯は茶褐色。勿論、差し水、沸かし、ろ過、循環は一切なく、100%源泉そのもののお湯であった。内湯が2つに、露天が1つある。露天は、オホーツク海を眺めることができる最高のロケーションで、特にお勧めだ。羅臼岳下山後の温泉としては、ホテル「地の涯」界隈が人気だが、ここ「しれとこ自然村」の温泉も忘れてはならない。是非、お勧めの温泉である。 この羅臼岳で、今回の北海道の山旅は終了である。本来ならば、幌尻岳にも登り、今年で100名山制覇といきたかった。しかし、幌尻岳は、昨年の台風災害により、林道、登山道の崩壊の為、今年一杯は、登山禁止になっている。100名山達成は、来年までのお楽しみに取って置くことに・・・。当初の予定通りであれば、この羅臼岳が、100名山最後の山になってていたが、そうではなくて良かった。今回のように雨風強く、地獄のような山頂で達成するのではなく、山頂で、気持ち良くゆっくりと、達成の余韻に浸りたい。是非、来年の幌尻岳山頂で、それを満喫してみたいものである。 |
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