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           2005年5月20日(金)
笈ヶ岳オフ
笈ヶ岳山頂にて
 笈ヶ岳には、現在も未だ登山道が無く、日本300名山の名でも、特にハードルの高い山である。最近では、秘峰として、その名が知られるようになり、残雪期には、多くの登山者が訪れる。深田久弥の「日本百名山」の後記では、「北陸では、白山山脈の笈ヶ岳か大笠山を、是非入れるつもりだった。これは私のふるさとの山としての身贔屓ばかりでなく、こんな隠れた立派な山があることを、世に吹聴したかった。しかし、まだ登頂の機会を得ないので、遺憾にも割愛した。」とある。

 今回の笈ヶ岳は、何とか日帰り可能なジライ谷経由のコースを選んだ。

山行記録
4:36白山自然保護センター-7:33冬瓜山【rest0:10】-8:22シリタカ山【rest0:10】-10:06笈ヶ岳【rest0:40】-11:45シリタカ山-12:15冬瓜山【rest0:20】-14:37白山自然保護センター 山行時間 10:01〔休憩含む〕

 今回は、ネット仲間の秋さんとのオフである。以前から計画していた笈ヶ岳である。しかし、時期が5月末ということもあって、残雪のない藪漕ぎを、覚悟しなければならなかった。秋さんとは、白山自然保護センターの駐車場で待ち合わせることになった。19日の勤務後、夕食も取らず、愛車を走らせる。白山自然保護センターには、深夜1時に到着した。秋さんも到着しているようで、秋さんのハイエース横に愛車を駐車する。そこで、午前4時まで仮眠を取ることに。20日の予報は晴れ。夜空が綺麗だった。憧れの笈ヶ岳である、楽しみで仕方なかった。

 午前4時起床、簡単に朝食を取り、準備を進めた。車外でゴソゴソ準備していると、秋さんが車から降りてこられた。「おはようございまーす!」秋さんとは、久しぶりの再会である。簡単に挨拶し、山の話等で盛り上がりつつも、出発の準備をする。長丁場の予定である為、少しでも早く出発したかった。出発予定は午前4時30分。計画は、白山自然保護センターから、ジライ谷左岸尾根経由で登る最短ルート。白山自然保護センターから野猿公園までは、遊歩道があり、問題なく歩ける。その先から、一気に踏み跡が薄くなり、登山道が無くなってしまう。この時期、藪漕ぎを覚悟しなければならないし、ルートファインディングも必要だろう。ルート作成の為に、赤テープ3本、黄テープ1本、黄色リボン200本を持参して望む。

冬瓜山 笈ヶ岳
冬瓜山から白山 次三角點
 出発は予定通り、午前4時30分。白山自然保護センター裏から、野猿公園へと続く遊歩道へ入る。良く整備された遊歩道を、30分程歩くと、休憩小屋のある野猿公園に着く。この辺りには、その名の如く猿が多いらしい。ここからがいよいよ、ルート無き山歩きのスタートである。目の前の沢を渡り、薄っすらと残る踏み跡を進み、ジライ谷左岸の尾根へと取りつく。尾根道は、踏み跡が意外にしっかりしており、迷う心配はなさそうだった。しかし、いわゆる登山道ではない。ただの踏み跡だけなので、山慣れしていないと難儀な道だ。胸を突くような急坂の連続で、一気に体力を消耗してしまう。岩場の危険箇所には、針金やトラロープなどが備え付けられていた。急坂を登りきり、なだらかな尾根歩きになる頃、一気に視界が開け、冬瓜山が見えてくる。冬瓜山は、特異な山容をしている為、それとすぐに判る。GWの連休時ならば、この辺りから残雪が現れ始めるが、この時期は、まったくの藪である。藪の中を薄っすらと続く踏み跡を辿り、冬瓜山を目指した。残雪は冬瓜山まで無く、藪漕ぎとルートファインディングに苦労させられた。頭上を見上げると、上方3m位の位置に、積雪期のテープや赤布がぶら下がっているといった状況である。やはりこの時期は、雪がないのである。不明瞭箇所には、持参したリボンを10m間隔で付け、ルートを作った。冬瓜山に接近し、これをトラバースするか、直登すべきか迷ったが、今の残雪量を考えると、後者の方が楽である。無理に藪を漕ぎながら、高度を下げてトラバースするよりかは、冬瓜山を直登した方が楽に決まっている。体力の消耗はあるが、時間的に考えても、かなりの短縮になるだろうと思った。直登ルートを選び、冬瓜山のピークを目指した。これが意外と急坂で、体力を消耗させてしまった。急な藪の岩場を登りきると、冬瓜山の山頂に出た。今まで姿を見せなかった笈ヶ岳だが、ここにきて初めて、目の前に聳えたのである。疲れも吹っ飛ぶような、素晴らしい眺望であった。この山頂には、珍しい三角点があった。通常の三等三角点とは別に「次三角點」なるものが埋まっていた。これに関しては、現在調査中である。貴重な物を発見し、なんだか得した気分になった。

シリタカ山より笈ヶ岳 記念撮影
山頂近し、雪がない^_^; 笈ヶ岳
 冬瓜山から一旦、標高を下げ、次なるピークである、シリタカ山を目指す。冬瓜山からの下降は、危険箇所である。雪と岩場のミックスである為、ちょっとした気の油断で滑落してしまう。ここは、特に慎重に下降する。冬瓜山から先は残雪も多く、雪の上を歩くことが多くなるので、アイゼンを装着する。稜線を外さないように、シリタカ山を目指した。予想通り少ない残雪の為、ルートは、雪→藪→雪の繰り返しである。同行の秋さんと共に、テープやリボンを使い、ルートを作りながら登って行く。幸いこの日は、天候が良く視界がある為、ルートを見失わなかたっし、進行方向とする目標も、定めやすかった。苦しい藪を漕ぎつつも、時には、稜線から見える白山の眺望を楽しみながら登った。シリタカ山に立つと、目の前に笈ヶ岳が聳え、近くに白山、そして遠方には、北アルプス全山を望むことができた。ここは、テントサイトにしたい位の、素晴らしいピークだ。ここで、秋さんと記念撮影をしたり、休憩したりと、ゆっくり身体を休めた。

 シリタカ山まで来ると、山頂は近い。一旦、鞍部へ標高を下げ、残雪と藪の混じり合う稜線ルートを、笈ヶ岳へ向けて突き進んで行く。山頂までの区間には、2箇所、猛烈な藪漕ぎをする箇所があった。体中、傷だらけになりながらも方向を定め、突進あるのみである。この藪は本当に辛かったが、復路のことを考え、テープやリボンでしっかりルートを作っておくことだけは、忘れなかった。その2箇所の難所をクリアすると、笈ヶ岳山頂から続く稜線に出た。そこから先は、残雪の上を歩ける快適なルートとなった。順調に小笈ヶ岳を越え、念願の笈ヶ岳山頂に立ったのは、午前10時6分。感動の瞬間であった。同行の秋さんと、がっちり握手を交わす。「お疲れ様でした〜。やりましたね♪」山頂からは、近くに大笠山、そして白山が、目の前に聳え立っていた。山頂で、登頂の余韻に浸りながら、ゆっくり寛いだ。

笈ヶ岳山頂 三等三角点
笈ヶ岳 カタクリ
 下山も長丁場である。しばらく休憩した後、名残惜しい山頂を後にした。下山は、意外にもスムーズであった。これは、登りながら秋さんと共に作成したルートのおかげだろう。下山中、冬瓜山で、年配の単独行者に出会った。「あの黄色のリボンは、貴方達のでしたか!助かりましたよ。」その人は、そう言って喜んでおられた。その後、少しだけ山の話をしてから、その人と別れた。「この時期に登られる方もいるもんですね〜。苦労して作ったルートだし、喜んでもらえれば、作った甲斐がありですね!」少し嬉しかった。

下山は、午後14時37分。「本当お疲れ様〜」長丁場の笈ヶ岳であった。無事、今回の山行を終了出来て満足。秋さん、今回も有難うございました(^_^)また、是非、難しい山に挑戦しましょう!山のブランクをもろともせず、体力を維持していらした秋さんには、驚きだった。秋さんは僕にとって、心強い山仲間ですね♪

 下山後、秋さんと共に、近くの中宮温泉へ。中宮温泉は、開湯1200余年。温泉旅館が多く、今回は、「山田旅館」で入浴させてもらうことにした。泉質は、含重曹弱食塩泉湯で、源泉65度、入浴温度45度。源泉かけ流しの温泉は、肌に柔らかく、湯冷めしにくい。もう、言うこと無しの温泉であった。湯の飲用許可も出ており、浴槽に注ぎ込まれるお湯を、そのまま飲むことも出来る。飲みやすいお湯は、古くから「胃腸の湯」と呼ばれており、胃腸病に効果があるとされている。

 笈ヶ岳は、今年は今回が、ラストチャンスのように思われた。あと1週間遅くなると、かなり厳しい状況になっているだろう。今回の勝因は、まず天候に恵まれた事、そして残雪が適度にあり、快適なペースを維持できた事にあるだろう。

 秋さんの記録

コースマップ (GPS軌跡)↑Click カシバードにて作成
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平15総使、第300号)」

今回参加のメンバー

秋さん
ちょっと山にいます。



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