▲迷岳(まよいだけ)1309m
〜 台高の隠れた名峰へ 〜
2004年3月17日(水) 登頂回数1
曇り 
GPS記録

迷岳は、台高山脈の池小屋山から東北に長く延びる、支尾根上の最高峰である。頂上付近の地形が、複雑で迷いやすいので、この名がついたという。迷岳の南北にかけて、宮川と蓮川の大峡谷が走っている。蓮川側は、東から連瀑の唐谷川と、眼前に岩稜の急迫する飯盛山尾根が続く。そして落差212mの布引滝の谷は、あたかも難攻不落の城塞のごとき急峻な尾根を派生し、谷を刻む。昔は、登山の困難な山として定評が高かった。

今回は、麓の奥香肌峡温泉ホテル「スメール」から、迷岳へ登る計画を立てた。コースタイムが長いことを考えると、日の出と同時に登り始めたかった。その為、前日の夜にホテルまで行き、そこの駐車場で車中泊した。18日の天気予報は、晴れのち雨であった。早出、早着が求められた。

18日の起床は、午前5時。登山口であるホテル「スメール」裏側にある、遊園地前の駐車場へ移動した。登山口は、唐谷川に掛かる橋の右側手前にある。登山届のポストもあるので、分かりやすい。登山口付近から見た前衛の飯盛山は、岩肌を露わにしており、威圧的な山容である。「まずこの山に登るのか〜。」少し気が重くなった。登山口出発は、午前6時。ポスト横の登山道から、薄っすらとした踏み跡を辿って、唐谷川沿いを進むと、右手に「登山口」という小さな道標がある。それに従い、ルートを右手に取る。この小さな道標と、テープに気が付かないと、そのまま踏み跡を突き進んでしまいそうなルートである。恐らく、直進する道は、唐谷川を山頂へと登るバリエーションルートであろう。

この分岐から尾根までは、ジグザグの急登である。ここで、かなりの体力を消耗してしまった。尾根からは、岩場の多い踏み跡を飯盛山へ登っていく。飯盛山手前は、岩場の連続で、険しい道であった。このルート中、ここが最大の難所である。足を滑らしたものならば、あの世行きは確実とも思われるような難路が数箇所があった。

難所をクリアし、やっとのことで飯盛山へ到着した。山頂の木の枝に「標高809m 飯盛山」という標識が、寂しげに吊るしてあった。しかし、地形図上では、その先にある930m地点がピークということになっていた。いささかの疑問もあったが、天候悪化の兆しもあった為、先を急いだ。

そこから幾度かのアップダウンをクリアすると、唐谷林道分岐に出る。ここは丁度、1079mピークの少し手前である。ここにも分岐の道標があるが、気を付けていないと見落としそうなものだった。下山には、このルートを利用する予定である為、この場所の様子をしっかり頭に叩き込んで、さらに先を急いだ。結局、先程のピークで疑問に思った930mピークは、見つけることが出来ず、不明のままである。

唐谷林道分岐からは、ブナの自然林で覆われた登山道で、踏み跡を辿る静かなルートであった。山頂周辺の自然林は、人間の手が加わっていない、自然の姿そのままが残っていた。この素晴らしい自然林の中で、一時を過ごすことが出来ただけで、大満足である。

山頂到着は、午前8時20分。ガスに覆われた山頂は、幻想的であり、迷岳の名にふさわしい雰囲気を漂わせていた。山頂で、しばらく登頂の余韻に浸り、休憩した。その後、天候が悪化傾向にあった為、早目に下山にかかった。

山頂を極めると、次に望むものといえば、下山後の温泉である。飛ぶように駆け下りた。1079mピークを過ぎ、その先の唐谷林道分岐からルートを右に取り、唐谷方面へ向かう。

このルートは、少し不明瞭な薄暗い植林帯の中を、所々に付けられたテープを頼りに、下っていく。しばらく下ると、奥の二俣へ降り立った。そこでは、写真撮影をして、しばらく休憩を取った。この沢は水が綺麗で、苔生した岩も、何とも表現しがたい美しさであった。

奥の二俣を渡渉し、沢の右側沿いを下って行くと、左俣に出くわし、その沢の丸太橋を渡る。この左俣まで来ると、林道は近い。林道手前で分岐があり、「唐谷林道」という道標があるので、それに従い右にルートを取ると、すぐに唐谷林道に出た。先程の分岐を真っ直ぐ取れば、唐沢沿いのルートがあり、登山口につながっている。しかしこのルートはかなり荒れており、危険との事。林道に出るルートを取る方が、無難である。

林道終点からは、いびかしい姿の飯盛山を眺めながら、駐車場を目指した。この林道は現在、舗装作業中で、工事車両が何度も行き来していた。この唐谷林道が全面舗装される日も、近いだろう。

駐車場到着は、午前9時51分。唐谷沿いのルートは、所々に不明瞭な箇所があるものの、テープさえ見落とさずに慎重に下れば、問題はない。このルートは、飯盛山経由で下山するよりも安全で、時間的に見ても少し短縮できる為、下山時に利用するのに、お勧めのルートである。

下山後、早速、ホテル「スメール」の温泉へ向かった。ところが、営業時間は午前11時からとなっていた。「まじかよ〜。あと1時間も待たなあかんのかよ〜。」汗びっしょりの身体で、1時間待ちは苦痛に思われた。仕方がないので、国道166号を奈良方面にしばらく走って、東吉野温泉「みのや」へ向かった。やっとの思いで到着した「みのや」の入口には、「本日休業」の看板が・・・。あまりのショックで言葉がなかった。結局この日も、ご用達の橿原市にある、スーパー銭湯「あすかの湯」で汗を流した。「早い下山も考えものだな・・(笑)。」次回からは、温泉の営業時間もしっかり調べて、山に登ろうと思う。

迷岳・・。その山の名前に惹かれ興味をそそられない登山家は、いないだろう。僕にとっても、いつかは登りたいと思っていた山であった。今回、迷岳に登頂することができ、感無量である。荒らされていない自然が残る、台高の隠れた名峰であった。


【迷岳山頂】


【三角点】


【唐谷沢】


【迷岳山頂にて】


【い○ち】

★山行記録★

山行時間:3時間51分
6:00 登山口
7:03 飯森山
7:54 唐谷林道分岐
8:20 迷岳山頂
10分 休憩
8:43 唐谷林道分岐
8:23 新道登山口
8:56 奥の二俣
10分 休憩
9:11 左俣
9:23 林道終点
9:51 登山口



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